私は某私立中堅大学を卒業し、地元の中小ITブラック企業に就職しました。思い描いていたエンジニアとは遠く離れた「大手メーカーに顎で使われる奴隷エンジニア」を四年経験した後、比較的大手のホワイト企業に転職成功した現在27歳、独身です。
転職後は「エンジニア」+「コンサル」の様な業種に就くことができました。転職成功、いわゆる勝ち組の体験談です。たまたまうまくいっただけかもしれませんが、希望のある話として受け止めてもらえれば、と思います。
まずは転職前の「ブラック企業」についての体験談を以下に記します。
転職前、つまり新卒して入社した会社は構成人数150人~200人程度の中小企業でした。人数だけ見れば立派に見えますが、その実態は「派遣会社」です。
本社で働いているのは50人程度でしかなく、残りは全員客先へ常駐していました。
会社説明会などでは「派遣会社」であることは一切説明されなかったので、入社してから非常に驚いたことを覚えています。
しかし、当時はまだまだ右も左もわからない社会人一年目です。そういうものなのか、と何も疑問に思いませんでした。今思えば、事前の会社説明と実際の業務内容が違う、という時点でブラック企業を疑うべきでした。
私はほぼ未経験で入社したのですが、なんと研修が全くと言っていいほどありませんでした。C言語プログラミングの本を渡されて「それ読んで勉強して」と完全放置です。
途方に暮れながら一応、本を読んで課題をこなして上司に見てもらう、という形で勉強しました。
そして入社して3ヶ月目の6月。なんと、同期が客先に派遣になりました。確かに、その同期はもともと専門学校に行っていため、他の未経験者よりも研修は進んでいました。
しかし、本社でまともに案件も与えられないままいきなり客先に派遣です。この会社は本当に大丈夫なのだろうかと不安に襲われました。
その時は上司に「客先にはA先輩もいるから、面倒見てもらえるよ」と言われて、「ああ、そういう形で研修していくのかなあ…」と納得しました。
研修をまともにやらない企業なんて、ブラック企業そのものだったのですが…。
そして、研修が終わり、現場デビューとなった私の案件は「ある先輩が作ったプログラムの引継ぎ」でした。
これが私に転職を決心させる大きな転機となります。
てっとり早く言ってしまえば、その先輩が作ったプログラムは本当に目も当てられない惨状でした。
ITに詳しくない人に説明すると「下ごしらえなしで具材をとりあえずざく切りにして味見もせずに煮込んだ」ような状態です。もう何から手を付ければ完成品になるのかもわからないような…。
しかもその先輩は次の日にはもう派遣で出て行ってしまいました。
驚くことに、先輩以外の上司や同僚も誰もプログラムの中身をチェックしたことがない、とのことで、私が一人で解析しながら不具合をつぶしていく日々が始まりました。同期の派遣によって灯った不安の火が、毎日大きくなっていきました。
さらに、研修が終わって現場の状況がわかったことで、本当にここはブラック企業だな、と強く実感するようになりました。
女性社員はエンジニア職でありながら客先の接待に駆り出される、上司は無償でサポートを迫られて土日にサービス対応する、明らかにボリュームと開発期間が合っていないのに勝手に受注する営業、上司のミスを代わりに謝るように言われている先輩…。今思えば、セクハラ、モラハラ、パワハラのオンパレードでした。
極めつけは給料です。就職時に提示された金額は一般企業と同程度で20万円程度だったのですが、そこにはカラクリがありました。なんと、固定残業制度を取っていたため、「月45時間残業する」前提の給料だったのです。なので、月に残業をいくらしても月給は増えません。月給を勤務時間で割ると県の最低賃金を下回っていました…。
当然、上司や会社側は「残業代払ってるのだから、毎月最低でも45時間は働くこと」と残業を強いてきます。営業も月45時間残業する前提で顧客から案件を受注していました。
低賃金と長時間労働、これで本当にこれでやっていけるのか?と毎日が不安でした。しかし、新卒で入社したため、ここの職場以外を知りません。ニュースやSNS上では毎日のようにここがブラック企業だ、あの会社がブラック企業だと騒いでいます。他の会社もきっと似たようなものだろう、と半ば勝手に決めつけて目の前の仕事を片付けていました。
その不安と諦めの中で、背中を押してくれたのは先に転職していた先輩です。
その先輩は「派遣技術」として他の企業に常駐していました。そこはいわゆるホワイト企業で、先輩いわく「残業するのは異常」「土日出勤なんてしたことない」「開発ボリュームが大きければしっかり調整する」「女性社員にはしっかり産休・育休がある」といった、自分がいる本社の勤務状況とは全くかけ離れたホワイト企業であると、転職前に教えてくれました。ちなみに、その先輩は常駐先の企業に転職しています。
今いる会社は異常な「ブラック企業」であり、世の中には本当に「ホワイト企業」が存在することを教えてくれた先輩には感謝してもしきれません。
先輩の後押しのおかげで、毎日不安で眠れなくなるぐらいなら転職しようと思い立ちました。転職体験談を以降に記載します。
転職の際にはリクナビNEXT+リクナビエージェントを利用しました。私が就活生のときにリクナビにお世話になったことを思い出して選びました。就活のときの実績もありますし、大手だから安心だと思ったのです。
先輩はすんなり転職していましたが、それに比べると私は20代前半の若手です。業務年数が少なく、また、元あるプログラムの修正という何の技術も必要とされないような単純作業しか経験がありません。このような業務経歴だけで転職できるのか、非常に心配でした。
しかし、リクナビエージェントの担当の方が電話面談で非常に励ましてくれたため、どんどん転職に前向きになっていきました。担当の方が他の方の体験談を少しずつお話してくれたのもやる気につながりました。
リクナビNEXTに登録した後の転職活動では、様々な転職エージェントから面談のお誘いや企業からのスカウトメールを毎日通勤電車の中でチェックし、自分の希望に合う企業を取り逃さないように気を付けました。幸いにして、ちょうど人手不足が叫ばれるタイミングだったので、求人情報は山の様にありました。
同時に、リクナビエージェントの担当の方にもいろいろアドバイスを受け、転職活動中は以下のように行動しました。
・担当の方から教えてもらった企業情報をもとに、自分の目でも確かめる
・担当の方から面接で聞かれる内容と模範となる回答を教えてもらえるので、面接練習をする
・リクナビNEXTから配信されるメール以外の求人も自ら探しに行く
・全く違う業界についても業界研究をしてみる
・新聞、ネットニュースの芸能以外の経済関連や社会情勢に目を通す。
・他人のホワイト企業への転職成功体験談を読んでモチベーションアップ
・社内の先輩や同僚で派遣先がホワイト企業の人に勤務状況をインタビュー
こうやって書き出してみると、就活生のころに戻った気分です。
しかし、就活生に比べると担当の方がマンツーマンで指導してくれるので、かなり楽な気分で転職活動ができました。
私が転職先に求めたのは「実家から通えること」「給与が今の会社より高いこと」を主軸としました。もちろん他にも「長時間労働しない」「生産性のある、やりがいのある仕事」等も基準としています。ホワイト企業に就職した先輩の生活体験談が本当にうらやましかったのです。
結局、転職活動では5社に面接にいきました。うち1社は自分が思っていた業種と違ったので、お断りさせて頂きました。残り4社ではすべて内定がでました。なんだか就活生のころの苦労が嘘の様です。
そのうちの非常にやりがいがありそうで、給与が高く大手企業である1社に転職を決めました。
転職後の給与は、50万円~100万円程度年収で上がる見込みです。面接時に給与の見積りを出していただいたのですが、残業代抜きの状態ですでに転職前の年収を50万円上回っていました。
また、仕事もエンジニアとしてのプログラミング技術以外に、プロジェクト計画やマネジメントに関する社内コンサルティングやアドバイザーとしての会議出席などが多く、以前に比べると非常に高いレベルでかつやりがいのある仕事ができています。
そして、何より長時間労働がなくなりました。労働時間が減って年収が上がっているので、転職大成功です。ホワイト企業は実在した、と、私もあの先輩のように後輩に教えてあげたいと思っています。これが、私のブラック企業からホワイト企業への転職体験談です。
最後に、私はブラック企業に入社しましたが、現在では転職してホワイト企業に入社できました。ブラック企業に勤めていると、長時間労働でメンタルがやられ、日々何も考えられなくなります。前職でも年に1,2人はうつ病等で休職、あるいは退職していました。
私はそうなる前に転職できたので、本当に良かったと思います。病気になってからでは遅いのです。それに、若いうちに転職した方が逆に良かったと思っています。年が大きくなればなるほど、ブラック企業の中でも出世してしまって役職に縛られたり、人によっては結婚してそう簡単に転職できなくなるからです。奥さんの理解が得られず、転職できないとの嘆きの体験談を読んだこともあります。
リクナビNEXT等の転職サイトはほとんどが無料で会員登録できます。本当に転職する気がなくても、今、どういう給与や勤務時間、勤務体系で求人が出ているのか、まずは確認してみると良いと思います。就活のときとは異なる、社会人としての視点で起業比較ができるはずです。
また、転職で成功した人の体験談を読めば、モチベーションアップにも繋がります。やはり人は誰でも成功したいものですからね。この体験談が、少しでも皆さんの役に立てればと思います。