転職活動中に私が心がけていた5つのルール
・日曜日に新聞に折り込まれる求人広告に必ず目を通すこと
・転職エージェントの会社に登録して転職先の紹介を依頼しておくこと
・履歴書を10通近く用意しておくこと
・転職を考えていることを上司だけでなく同僚にも知られずに気を付けること
・退社を速やかにするために、即日で退職できる方法をネットで調べておくこと
時給制800円のパートで入社したのにほぼ24時間拘束のブラック企業、社長の呼び出しに怯える毎日
(現在の私 46歳、女性、高校卒、食品工場の事務員、仕事は事務職全般)
子供を保育所に入れて手軽に始めようと思っていたパートだったのに、入社した先は真っ黒なブラック企業でした。まるで社長付の家政婦のように酷使され、本来の業務ではないことまでさせられるきつい毎日。帰宅後も社長の気まぐれで再出社を命令されることが多く、心身ともに疲れて辞めたい気持ちが強くなり、転職を決意しました。
年収130万円パートから年収400万円大手食品工場の事務職に転職
前職は求人広告で見つけた不動産会社の事務職のパートでした。28歳の時です。
特に夫の扶養内でと決めていたわけではないのですが、社長から厚生年金に入ると引かれる額が多くなって手取りが減り損になるからと、扶養内の130万円以内に抑えるよう勧められました。 転職した現在は年収400万円前後の事務職に就けています。
社長の家政婦兼事務員のような仕事に精神的に辛くなり転職を決めた
高卒ですぐに働き始めた会社は、ペットフードの卸の会社でした。人も多く、事務職としてやりがいもあったのですが、職場結婚、妊娠を機に会社を退職しましたが、出産後はできるだけ早く再就職したかったので、出産後すぐに保育所の申請をしました。すでに就職活動をしていたこともあり、すぐに申請が通ったので、子供を保育所に預けながら気を入れて本格的に就職活動を始めました。とはいえ、やはり主婦なので家事や育児に差し障りがない範囲で9時~17時くらいのパートを希望していました。新聞の折り込みを見て、めぼしいところが見つかれば面接に行きました。
そして前職のブラック企業に運悪く行き着いたのが4社目の時でした。
前職は事務員がひとり、営業職の男性が数人の小規模な会社でした。とはいえ、自社ビルだったので、規模は小さくても基盤はしっかりした会社なのだろうと思っていました。
でも、その会社がブラック企業であるという兆候は最初からありました。私が気が付いていなかっただけで・・・。
退職予定の事務員さんから引継ぎをしてもらっている間、いつも言われていたことは「社長の言う通りしていればいいからね」ということでした。
引継ぎといっても、なぜか引継ぎらしいことは行われず、私は事務員さんが退職するまでの間、電話応対、お茶くみ、帳簿つけなどごく普通の仕事だけをさせられ、9時に出勤して17時に退社する、そんなありきたりの毎日でした。ですから、実際の事務員さんの仕事は見ていなかったわけです。事務員さんも私に辞められたら困るのか、この会社の事務の本当の仕事は私にあえて見せないようにしていたようでした。
ですが、本当の事務の仕事がわかったのは、事務員さんが退職したあとでした。
事務員さんは退職する前日、自分の連絡先を書いたメモを私に手渡して、「ごめんね、ここの会社の事務はきついの。何かあったら連絡してね」と言いました。
私は頷いてお礼を言いましたが、その時はまだわかっていなかったのです。ここの事務職がいかにきついか。いかにこの会社がブラック企業であるかを。事務員さんは退職の日、何かに解放されたような晴れ晴れとした顔をしていました。そして、翌日から私の地獄が始まったわけです。
9時に出勤すると、いつもどおり掃除をして営業さんにお茶を入れます。それから電話応対や接客などをこなしていたのですが、お昼前にいきなり社長から呼び出され「蕎麦が食べたいからいつもの店に注文して取りにいって来い」と言われました。いつもの店と言われてもわかりません。どの店か聞き返すと「そんなことも知らんのか」と恫喝されてそれ以上聞くことはできず、退職した事務員さんに電話をして店を聞きました。社長のお気に入りの店は会社から300メートルほど離れた場所にあります。出前はしていないとのことで、私が取りに行かないといけません。注文だけ電話で入れて、すぐに走って店まで行き、蕎麦が伸びないように熱いうつわを持って小走りで帰らなければなりません。そして食べ終わると、またうつわを返しに行きます。私の昼食はそれを終えたあとでした。社長は弁当を持ってこないので、ほとんど毎日こんな感じです。きついですが、でもこれはまだマシな方でした。
一番きついのは、決まった事務の仕事の合間に、出先からいきなりパソコンで契約書を作らされることでした。電話で「今から言うことをパソコンで打って俺が帰るまでに用意しとくように、5分で帰るから」と言われ慌てます。前の事務員さんは社長が電話越しに言う文面を聞きながら直接パソコンで文字を打っていたようでしたが、私にはまだそんなことは無理で、一旦メモを取ってからパソコンに打ち込みます。そうしているうちに社長が帰って来てまだ出来上がっていないと、無能だの使えないだの罵られました。典型的なパワハラ、モラハラのブラック企業です。本当ならここで辞めたいと思って転職を考えてもいいくらいのきつい仕事なのに、それでもまだこれもマシな方でした。
17時になって帰宅したあとも、契約書や書類が必要になると会社に出てくるように電話がかかってきます。そして、書類を作り終えるまで帰してもらえません。今思えばあまりに理不尽な扱いでしたが、書類が出来上がるとこれ以上ないくらい褒めてくれて、帰りは丁寧に車で送ってもらえるので、次第に変な優越感のようなものを感じ始めました。たぶん、精神がおかしくなっていたのだと思います。この社長についていけるのは自分だけだとやりがいすら感じていました。だから、夫から会社を辞めるように言われても辞めたいなどとは思いもしませんでした。そして、ブラック企業であるという認識もいつの間にか消えていました。
そんなある日、とんでもないことが起こりました。営業さんのひとりが亡くなったのです。いつも私を気にかけてくれていた50代の男性です。「辞めたいと思ったら早く辞めるんやで」と言って気遣ってくれていました。その人が、取引先との些細な揉め事のせいで自殺してしまったのです。
聞けば、その揉め事の原因は社長でした。債権の回収がほぼ不可能に近い会社とわかりながら、わずかなリベートで社長が勝手に取引をしてしまい、債権の回収だけ営業に押し付けていたのです。債権が回収できないまま先方の会社が倒産してしまい、男性は行き詰ってしまったのでしょう。自宅で首を吊ってしまったのです。でも社長は平然と「他の者もこうならないように気を張って仕事するように」と皆の前で言ってのけました。私はそこで全身が冷たくなるのを感じて、ようやく目が覚めたのです。
ここはずっといてはいけない場所だ、辞めたい、辞めたい、と心の底から思いました。
帰ってから夫に相談すると「やっとわかったか、お前の会社は典型的なブラック企業や。こんなに痩せて仕事もきついんやろ。自殺した人が言ったように辞めたいと思ったら転職したらいい。転職先なんかいくらでもあるんやから」と言ってくれました。それで私の気持ちは固まりました。
転職しよう。転職して当たり前の生活に戻ろうと決めました。
でも、すぐに辞めると伝えても社長は簡単に許してはくれないでしょう。せめて次の会社が決まるまでは我慢することにしました。そして、転職先が決まって社長に辞めたい意思と退職までの2週間分の有給休暇を取得すると伝えて、退職届を出して逃げるように会社を飛び出しました。
あとのことは知りません。退職までの手続きのほとんどをメールでやりとりして、ようやくブラック企業とお別れしました。
転職サイトの「パソナキャリア」を利用して転職に成功
転職するうえで一番の不安は年齢でした。くだらない前職に数年もいたせいですでに30代になっていました。そして女性だということです。パートでも再就職は簡単にできるのかと思っていました。
私は事務職しか経験していなかったのですが、事務職はやはり20代の独身者の募集が多いです。
既婚者で30歳を過ぎると、あるのは工場勤めくらいでした。
ですが、パソナキャリアのエージェントは私の前職の仕事内容をしっかりと聞いてくれて、「かなりきつい内容のお仕事をされてましたね。でも、それがあなたのキャリアになっているので正社員でも十分、事務職につけますよ」と言ってくれました。その言葉で私の不安は解消されました。
求人広告を見ながらも転職エージェントからの連絡をひたすら待った1ヶ月
とにかく事務職にこだわりました。
できることのすべてを履歴書とは別添えの書類に記入し「お役に立てるなら」と控えめに一言を書き添えてエージェントに預けました。
前職の仕事は辛かったですが、やっていたことは事務職でもかなりレベルの高いことだったようで、2社目で採用は決まりました。大手の食品工場の事務職でした。
ただまだ退職できていないことを伝えると、先方は理解してくれて、それでは退職するまでの期間はこちらもパートということで来てもらいましょう、と心遣いをしてくれました。
大手の食品工場での事務職は残業もなく正社員としての待遇も保証され家事と育児にゆったりと時間が使えます
無事に退職をして現在の会社に正社員として再就職出来ましたが、福利厚生、社員の待遇が素晴らしく、結婚後も退職を強要されることもなく育児休暇の制度までありました。
なので、2人目を妊娠してもそのまま働くことができて、妊娠9か月目から育児休暇1年取得することができました。同じように結婚、出産された女性社員が多くて、子供が急に病気になって休んでもフォローしてくれるし、私もフォローします。
前職とは違い、本当によい会社に再就職できました。
ブラック企業に勤めていると、いつの間にか慣れてしまって、それが当たり前になってしまいます。心が麻痺してしまっているのでしょう。辛さを感じながらも、誰もがこの苦しさに耐えている、なのに辞めるのは自分が弱いからだと思ってしまいますが、今自分がいる場所が本当に正常な場所かどうかを考えて、違うと思えば躊躇なく転職をした方がいいと思います。
私の体験談が今、苦しんでいる人のお役に立てれば幸いです。